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トップ > FX 公開市場操作 > FX 公開市場操作 - 人気ブログ(Blog)検索結果詳細 (2008年11月20日 4時)

第153回 G20が今週末に開催されますが...

 今週はAIGへの公的資金注入拡大、米家電量販店大手・サーキットシティの破綻、GM(ゼネラルモーターズ)の目標株価が0ドルへと引き下げられるといった出来事があったことから金融不安が再燃し、上値の重い展開を強いられました。12日には世界的な景気失速をテーマにリスク回避の円全面高が加速する場面もありましたが、週末のG20緊急首脳会議(金融サミット)に向けた期待感から翌13日には急反発するなど、方向感が定まらない中での乱高下となっています。  そのG20は、IMF(国際通貨基金)への機能強化といったような、ブレトンウッズ体制以来となる新しい金融システムの構築が期待されています。そして緊急開催の背景にあるのが未曾有の金融危機であることから、表面的には各国で合意された内容になると見られてはいます。しかし世界金融の主導権争いは長きに渡って米欧間で繰り広げられており、いきなり合意に至る確率はかなり低いといわざるを得ないところです。また金融危機の再発防止に向けた規制強化などに対して、米国は消極的であるともいわれています。「市場のことは市場に任せる」として、あくまで市場中心主義を貫いてきた米国にとって、にわかに変革できない部分でもあるからです。  さらに今回の金融危機は全世界レベルで起こっていることから、主要国だけで対応できる性質のものではありません。このため同会議には新興国を含めて多くの国々が参加していますが、数が増えればそれだけ異なった意見が出やすく、コンセンサス(合意)が得られにくくなるのは自明の理でもあります。  もちろん7000億ドルの公的資金注入といわれる米金融救済法の中で、さらなる追加策を模索・検討しているとの報道もあります。このため悲観論を煽る訳ではありませんが、金融市場混乱を緩和させる足元の景気対策も、どの程度の連携を各国が行うことができるかは不透明であることから考えると、未曾有の金融懸念を払拭あるいは大きく緩和させるという、特効薬的な期待を過度に持つのは禁物といえるかもしれません。  いずれにしても今週末は、何がしかのサプライズが起こる可能性を警戒しておく必要がありそうです。新金融システムの構築あるいはそこまで行かなくても各国が連携・協調するというサプライズもあれば、過度の期待感が崩れるというのもサプライズとなり得ます。イベント終了による材料出尽くしのみで何もなしというのが、サプライズになることだけは勘弁して欲しいところですが・・・。

作者: money partners

更新日:2008年11月14日 9時13分

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第152回 新たなトレンドは形成できる?

 オバマ米新大統領誕生を先取りする流れから、今週のドル円は一時100円を回復する動きを見せました。しかしその後は、世界的な景気悪化を材料に再度リスク回避の円買いの動きが出てあっさりと下落に転じ、97円ラインを割り込むところまで下押ししています。4日に発表された豪政策金利が75bpの利下げをし、6日発表の英政策金利が150bpの利下げというサプライズを見せるなど、信用収縮を強く意識した中での世界的な金融緩和の波は、円・ドル・欧州通貨・その他通貨という順番の力関係を確認する動きとなりました。  こうした中で本日は大幅悪化が予想される米雇用統計の発表があり、注目されていますが、雇用関連の各種米経済指標の悪化を背景にして、非農業部門雇用者数の事前予想が直前になって‐20万人まで下方向に拡大する事態になっています。同指標は事前予想と実際の結果が乖離することで有名なだけに鵜呑みには出来ませんが、この予想が既にマーケットに織り込まれている感があることを考えると、発表直後こそ瞬間的に下落するかもしれませんが、下方向へ新たな流れを生み出すとはちょっと考えづらいところでもあります。  来週末にはブレトンウッズの再来と期待されるG20金融首脳会議がワシントンで開催されます。またこれに先立って、今週末はブラジル・サンパウロでG20財務相・中央銀行総裁会議も予定されていることから、リスク回避の流れがさらに勢いを増すとは想定しづらく、下方向への動きは限定されやすいといえるかもしれません。こうした状況を勘案した下値のメドとしては、先月28日に日足で空けた窓の下限である94円半ばが考えられるところです。  一方で底打ち感が出てきているのかといえば、全くといっていいくらい実感がないのも事実としてあります。特に米国債の利払い・償還に伴った資金フローでは、償還に関しては新規発行分とほぼ拮抗しているものの、200億ドルにおよぶ利払い金が資産引き揚げによるレパトリのドル売りとして重くのしかかってくることが想定されています。  ドル円は政策金利が共に1%以下(米国:1.00%、日本:0.3%)という超低金利グループの2通貨のペアであるだけに、基本的には同一方向に動く可能性も指摘されるところです。リスク選好とリスク回避を繰り返すマーケットですが、どちらが優勢になっても目先は明確なトレンドが形成される可能性は低いと見ておいたほうがいいかもしれません。もっとも、あくまでも「目先は」ですが・・・。

作者: money partners

更新日:2008年11月9日 23時59分

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第151回 起こらなくてよいパニックが起こった?

 先週末も大きなパニックがマーケットを襲いました。日経平均は7000円を一時割り込むバブル崩壊後の最安値を更新し、またドル円は今年3月の95円を大きく下抜けて90円台まで突っ込む年初来安値更新の動きとなりました。リスク回避の資金逃避が予想以上の円高を助長したことで、円キャリートレードの巻き戻しが起こったことが大きなウェイトを占めています。  今回の急落の大きな背景として、欧米の金融危機からくる景気後退懸念が世界的な株安をもたらしたことが挙げられます。こうした中で真っ先に資金逃避をはじめたのが、期末を控えたヘッジファンドでした。このためキャリートレード資金の引き上げが加速しました。円キャリートレードという言葉があるように、円で資金調達して他通貨で運用する手法がここ数年マーケットを席巻してきたことから、これを巻き戻す円買い圧力の加速度や圧力は想像を絶するということは容易に想像できるのではないでしょうか。  ただしリスク回避の資金が円に集中したといっても、本来であればパニック的な下落にはつながらなかったはず、と私は今でも思っています。もちろん当コラムをお読みいただいている読者の方にはお分かりだと思いますが、私は「ドルは下がる可能性が高い」といい続けてきたのはご承知の通りです。しかしそれでも今回のパニック的な下落は、私にとって不可解でした。なぜなら今回のドル円急落は、「円高・ドル安」ではなく「円高・ドル高」の中で起こったからです。  キャリートレードの巻き戻しが円高を加速させたという事実がありますが、実はキャリートレードは円だけでなくドルも多いのです。そして日本人はキャリートレードと聞くと「円キャリートレード」をすぐ思い浮かべますが、実際には「ドルキャリートレード」の方が圧倒的に多いという事実もあります。今回、ドル円は大きく下落する動きを見せましたが、対欧州通貨・対資源国通貨等ではドル高が進行するという事態になったのは周知の通りです。つまり「円高・ドル安」ではなく「円高・ドル高」が進行している中で、ドル円だけが「円高・ドル安」になったということです。もちろんリスク回避による資金の逃避先が円でしたので、ドル高圧力よりも円高圧力の方が強かったといってしまえばそれまでですが、それにしてもユーロ円やポンド円、そして南アフリカランド円などはともかく、ドル円がパニック的な下落を見せました。  今回のパニック的なドル円下落に対して私の見方は誤っていた訳ですが、原因を追ってみると「どこまで下がるかわからない」という報道があるのではないかと思っています。いわゆる過剰報道です。そしてこの背景には「金融恐慌入り目前」と煽ったアナリストの存在があります。もちろん「金融恐慌入り」の可能性は否定出来ませんので誤りとはいえませんが、これらアナリストの顔ぶれを見ると、少し前までデカップリング論を唱えていた方が少なくないという事実があります。つまり、「米経済悪化は世界に波及しない」とこれまでコメントしてきたのが一転して「金融恐慌入り目前」と悲観論を煽ったのですから、マーケットは起こさなくてもいいパニックを引き起こしたといえるかもしれません。  人為的なパニックは行き過ぎとして認識され、調整されやすいといわれています。日経平均が9000円を回復、またドル円は99円ラインを回復するという急反発を一時見せたのは、この過剰報道という説が正しいとするとある意味で自然な流れといえます。  ただし底を打ったかというと、それはまた別問題になります。確かにパニックは修正されましたし、その影響で下値も限定されやすくなっています。またキャリートレード巻き戻しというドル買い圧力も依然として続いている中で、目先は警戒の高まりから上にも下にも動きづらくなることが想定されるところですが、だからこそ下方向への警戒をより強めておかなければ成らないのかもしれません。なぜなら本当に警戒が必要なのは、リスク回避の円高の中で進行するドル安なのですから・・・。

作者: money partners

更新日:2008年10月31日 9時32分

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第150回 週明け(13日)のスタートに注意、の理由とは

今週(10月24日)の『なぜなにFX』は、相場急変につき休載いたします  米国発の金融危機が欧州へ飛び火し、世界的な景気後退懸念から世界同時株安に歯止めが掛からなくなったことから、今月8日、FRBは藁にもすがる思いで各国主要中銀と共に協調利下げを行いました。  しかしG7開催前という特殊な状況下で発表された今回の協調利下げは、発表直後のわずか数時間しかマーケットに影響を与えませんでした。98円半ばまで下落していたドル円は発表直後に101円台まで押し上げられたものの、2時間後にはすぐさま100円を割り込む動きを見せています。翌9日にも一時101円を回復する動きを見せましたが、NYタイム終盤のダウ急落に引っ張られる形で98円台まで下落するなど、リスク回避の動きは依然として続いています。  本日から開催されるG7に、今回の混乱の収拾を期待する声も挙がっていますが、米公的資金注入はすでに織り込まれ始めていることから、大きなサプライズとはなり辛いといえます。このためリスク回避の流れを反転させるだけの新たな材料を出すことが出来ないと、一発逆転のサプライズにはならないと見られています。  協調利下げに続いて世界的に協調した資金注入でも決定されれば話は変わってきますが、依然として本年3月につけた95円後半を目指すとの声が多いことから考えると、どちらかというとG7後の失望・信用収縮拡大を見越した、仕掛け的な円買いの動きがより注目されるところです。  特に週明け(13日)は日米加が休場となることから、流動性の低下が懸念されています。このためちょっとした材料で値位置が大きく跳ぶことも想定しておかなければなりません。特に週末の終値から乖離したレートでスタートする、いわゆるスリッページには注意しておかなければならないでしょう。  別に悲観論を煽っているわけではありません。スリッページは下にも上にも起こる可能性があります。特に現在の状況は悲観論が台頭しやすい状況下ではありますが、大きく下落した反動がいつ入ってきてもおかしくない状況であるともいえます。特に来週には米小売売上高に鉱工業生産、物価関連に住宅関連の経済指標も予定されており、憶測での仕掛け的な動きも入ってきやすいとも言えます。だからこそ、米政府が「金融機関全ての預金を一時的に保証する」といった内容を検討中との報が流れたことでも分かるように、米政府・金融当局は必死になっているのです。サプライズ不在との見方が多い今回のG7だけに方向感は定まっておりませんが、だからこそ余計に注意しておく必要があるともいえます。上にも、そして下にも・・・。

作者: money partners

更新日:2008年10月24日 10時8分

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第149回 短期金融市場は、まだ混乱中...

 「FRB(米連邦準備制度理事会)・ECB(欧州中央銀行)・BOE(英国中央銀行)・BOJ(日本銀行)・SNB(スイス国立銀行)・BOC(カナダ銀行)らを代表とする主要各国中銀によるドル資金の協調供給の甲斐あって、リーマンブラザーズの破綻で混乱したマーケットは落ち着きを取り戻しつつある」・・・というのが先週のマーケットでしたが、まさかの金融安定化法案・米下院否決を背景に、今週に入ってマーケットは再度波乱が巻き起こる展開となりました。この影響で短期金融市場も混乱を極め、リーマン破綻直後の一時的な現象と見られたスワップポイントの逆転現象が、再度発生する状況になっています。  FXの魅力の一つであるスワップポイントは、金利格差によって付与や支払いが設定されています。しかしその基になっているのが政策金利ではなく短期金利の動向であることは、あまり知られていません。政策金利が変更されていないのに、スワップポイントの値が変化するのは、このためです。  その短期金利の動向を担っている短期金融市場では、現在、ドル資金の取り手(需要側)が取り急ぎ、出し手(供給側)が出し惜しみをする動きを見せています。これが「プレミアム」と呼ばれる割増を生じさせ、ドルの短期金利を押し上げています。  短期金融市場における資金調達は、金融機関同士が信用で貸し借りをする枠を設定しており、原則、無担保で行われています。しかし現在は、危険度が高いとみなされている金融機関にはプレミアムが乗せられており、そしてこうした金融機関ほど巨額の資金を必要としています。今回の混乱は主にユーロとドルとの間で起こっていますが、そこで不足するドル資金が調達できないとなると、今度は為替スワップ取引を用いて資金を調達するという流れになります。為替スワップ取引とは直物と先物の売買を同時に交差させる取引のことをいいますが、この取引を行う段階で「金利の裁定取引」で決定されるべきスワップポイントの論理は消え去り、「いくらでも払うからドル資金を調達したい」という需給の原理に陥ります。  ユーロは円に対しても、そしてドルに対しても絶対的な金利差を持っています。このため円やドルに対してユーロの買い手がスワップポイントを受け取るのは、理屈の上では必然です。しかし現実には、ドルの出し手がないということで、米政策金利となるFF(フェデラルファンド)金利翌日物の気配値が一時10%超にまで膨らみ、さらに10%超でも調達できないという事象が発生したことが、今回のスワップポイント逆転につながりました。  金融恐慌入り前夜ともいわれる現在、冒頭でも記したようにFRBは主要な各国中銀とともに、ドル資金を強調して供給し続けています。また公的資金注入を可能にする米金融安定化法案も、成立に向けて関係者は駆けずり回っています。このため短期金融市場の混乱は、まもなく落ち着いてくると見られてはいます。  ただし米金融危機の背景にあるのが米住宅市況の低迷であることから、マーケット全体のボラティリティが落ち着くと考えるのは危険です。100円割れを見せた今年3月ほどドル売り圧力が高まっていませんが、レートの乱高下による混乱が沈静化するのは、まだ先と思っておいた方がよさそうです。

作者: money partners

更新日:2008年10月3日 12時40分

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第148回 日本と米国...置かれている立場の違いとは?

 米金融安定化法案を巡る思惑が、マーケットを揺さぶり続けています。「民主・共和両党が原則合意」と伝わった25日には早期成立期待から上昇したドルでしたが、ブッシュ大統領を交えた交渉では再び暗雲が立ち込める展開へと変化しています。不良債権の値下がりに備える代替案を共和党が持ち込んだためですが、財政赤字を抱える米国にとって総額7000億ドルもの金融機関の救済策は、国民負担への説明義務が避けて通れないことが再確認されたといえます。特に一度合意に達した同法案が暗礁に乗り上げという事実は、米金融市場全体のセンチメントを悪化させる要因として機能しやすく、さらなるドル安・株式安の可能性も指摘されるところです。  そうした中で、米貯蓄金融機関大手・ワシントンミューチュアルが経営破綻し、米金融大手・JPモルガンチェースが買収すると報じられたことは、信用収縮を増幅させる材料として大きく機能しました。この影響で上昇したNYダウに引っ張られることなく、一時200円超の下げ幅を見せた日経平均に代表されるように、株価を中心としてリスク回避の動きが強まっています。米国史上最大の規模となる経営破綻ですから、当然為替市場にも影響を見せています。クロス円主導でキャリートレードの巻き戻しが見られており、ドル円は105円前半へと再度、値位置を落としています。  米政府が不良資産の買い取りを柱とした同法案を提出したことは、金融危機の拡大は断固として阻止するという政治的な決意の表れであり、その点については評価すべきだとの声があります。いうまでもなく、バブル崩壊後の危機対応に失敗した日本は90年代に「失われた10年」を経験し、米国はこれを反面教師として決断を急いでいるともいえます。しかし日本と米国とでは、置かれている立場が違います。世界経済への影響といった、度合いの測りづらい観点の話ではなく、明確にバランスシートが違うからです。  日本は浮き沈みこそありますが、基本的には巨額の経常黒字を背景にした世界に冠たる純債権国です。このため金融危機という問題を先送りにする、時間的余裕が許されていました。一方で米国は巨額の経常赤字を抱える純債務国であり、日本のように問題を先送りするだけの体力も時間的余裕もありません。このため一度ドル離れが起きれば、雪崩を打ったように米経済システムは崩壊の危機に瀕することも十分に考えられます。  大統領選挙を控える米議会は、9月を過ぎると準備のために休会となります。このため同法案が成立しない場合、11月の大統領選挙が終わるまで持ち越されることになります。モラルハザードの問題はありますが、残されている時間はそう長くないということが、現在の米金融当局および米政府の本音といえるかもしれません。

作者: money partners

更新日:2008年9月26日 11時30分

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第147回 今週に続いて、来週も窓あけスタート?

今週(9月19日)の『なぜなにFX』は、作者都合により休載いたします  本日は出たり入ったりとバタバタしていたことから、なかなか筆を進めることが出来ませんでした。コラムとしてはどうかとも思いますが、要点を短めに記します。  3月のベア・スターンズに続いて、今月はファニー・メイとフレディ・マックのGSE2社に公的資金が注入されることが報じられ、そして続いてリーマン・ブラザーズ危機を巡る憶測がマーケットを揺さぶっています。韓国産業銀行からの増資受入交渉が不調に終わり、さらに10日に前倒し発表された6-8月決算が同社の158年におよぶ歴史の中で最大の損失となったことなどが背景ですが、リーマン株は急落する動きとなっています。このため同社の身売り(買収)話がマーケットを賑わし、思惑で右往左往する展開になっています。  同社を巡る身売り(買収)話は、現在でも複数に対して行われているといわれています。詳細はわかりませんが、こうした中で米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、米銀大手であるバンク・オブ・アメリカ(BOA)がその相手候補に含まれていると報じました。また米情報大手・ブルームバーグは、「リーマン・ブラザーズは米財務省および米連邦準備制度理事会(FRB)と、身売りについて協議している」とも報じています。米財務省およびFRBと協議しているということで、身売り(買収)の相手は米銀の可能性が高いとの話につながっています。これが「身売りの相手先はBOA」という思惑を、拡大させています。  この件についてはリーマン・BOA共にコメントを控えていることから、憶測の域を出ません。しかしブルームバーグには、「週明けのアジア市場が開く前(つまり土日の間)に、身売りに関する決定が公表される可能性がある」とも報じています。GSE(米政府系住宅金融)2社への公的資金注入が報じられたのが異例の日曜日(7日)であったことを考えると、全く可能性がないとは言い切れません。  今週の週明けはこの報(公的資金注入)を材料に、窓を空けてスタートしたのは記憶に新しいところでもあります。週末にポジションを持ち越す際には、それ相応のリスク管理は行っておきたいですね。

作者: money partners

更新日:2008年9月19日 7時38分

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第146回 ドル円は、やや上値の重さが目立つ展開

 原油が100ドルの大台割れを視野に入れた調整を見せる中、インフレ圧力の後退からドルが買い戻される展開が続いています。また欧州を始めとする世界的な景気減速観測の台頭も米国への資金回帰を促す形でドルを押し上げています。しかし対円では円が堅調な動きを見せており、ドル円はやや上値の重さが目立つ展開です。  円堅調推移の背景には、欧米に比べて景気後退やサブプライム問題による信用収縮の被害が軽症とされていることがあります。これが、昨夏のサブプライム問題発生以降に大きく売り込まれたドルが現在は買い戻されている傾向にあるにもかかわらず、ドル円が引き続き上値の重い展開を強いられている要因のようです。ただ信用収縮や金融不安による景気の下方リスクが依然として燻り続ける米経済の現状を考えると、いつリスク資金回避の円買いが再燃してもおかしくありません。  しかも米経済は、原油下落という好材料の中でも消費減速・輸出鈍化で経済成長の柱を失いつつあるというアキレス腱を抱えています。そして今月半ばに開催されるFOMCでも政策金利は低水準の2.00%で据え置かれる可能性が高く、金利格差からもドル買い戻しの勢いが削がれやすい状況は続くと想定されています。  原油の下落によりインフレ懸念の後退および米経済の失速観測緩和が期待されますが、景気回復を目的に導入された戻し減税の効果が限定的に留まったことも明らかにされています。これから世界的な景気減速を受けた輸出の減少も想定される中、景気失速懸念の大元である米住宅価格の下落もまだ続くなど、材料的にはドルにとって悲観的なものばかりといえます。  このため米国以外の諸国が景気減速を懸念し始める中、既に売り込まれていたドルは買われる展開を見せていますが、その持続性はなお不透明といえます。もちろんファンダメンタルズだけで変動するわけではありませんが、米金融機関を巡る信用不安も払拭されたとはいいがたい状況であるだけに、そろそろ「ドル買い息切れ」を警戒しておいたほうがいいかもしれません。

作者: money partners

更新日:2008年9月5日 11時45分

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第145回 介入期待でドルの下値が支えられる!?

 8月28日は「今年3月のドル下落局面で、日米欧の通貨当局がドル買い協調介入を柱とするドル防衛策で秘密裏に合意」という、日経新聞朝刊の報道で幕を開けました。記事によるとベア・スターンズ危機が表面化した3月半ばの週末に、日米欧の当局者間で協調介入の進め方が電話で話し合われたとされています。当時はサブプライム問題がモノラインの格下げ、米金融機関の損失拡大懸念へとつながり、さらに米景況感の悪化でドル下落が強まっていました。こうした動きがさらに加速することに対して、日米欧の通貨当局が警戒度合いを強めていたとしても何ら不思議なことではありません。しかし、ドル買い介入を検討せざるを得なかった理由の大きな背景として、原油高騰が重要なポイントとして挙げられます。  当時のドル下落は、即座に原油高騰につながっていました。そしてその原油高騰がさらなるドル下落をもたらすという、負のスパイラル状態が続いていたともいえます。原油高騰要因として新興諸国の需要増という見方と、投機資金が大量に流入したという見方に分かれていましたが「ドルが下落するとさらに原油が高騰する」との認識は各国通貨当局が共に認識していたと見られています。現在はドルと原油の相関関係は多少弱まってきましたが、当時としてはさらなる原油の高騰を阻止するために、ドルの一段安を阻止する必要性を強く感じていたとしても、不思議なことではありません。  結局、その後のドル反発でドル買い介入は行われなかったとされていますが、今回の報道で「ドルは下値を堅くする」との見方が台頭することが想定されます。なぜなら再びドル円が下落してきた場合には、介入を期待した国内個人投資家がかなりのドル買いを行ってくると予想されるからです。この国内個人投資家の影響力が顕著となったのは一昨年までの円キャリートレード時であり、ファンドなどの機関投資家を相手に真っ向勝負を行い、それらを打ち負かしてクロス円を大きく上昇させたのは記憶に新しいところです。確かに、個人投資家が『ミセス・ワタナベ』などと渾名された時期から比べるとマーケットへの影響力は弱まったと見られますが、現在でもまだかなりの影響力を保っています。彼らが介入期待でドルを買い支えることは十分に考えられるところです。  しかし前回の95円まで下落した時でも介入が実施されなかったことから考えると、介入のハードルはさらに高くなっているとも考えられます。当時のような米金融不安の高まりやNYダウ急落といったドル急落となるのであればまた話は変わってきますが、ジリジリといった感じでドルが下落するような場合には、仮に95円ラインを割り込むような動きになったとしても介入が行われる可能性はそう高くないかもしれないと思わざるを得ません。特に原油との相関関係が多少弱まってきた現状ですので、ドル下落で原油が大きく高騰するような展開にでもならない限り、介入の可能性は逆に小さいとも考えられます。  もっとも現在のようなレンジ内の動きでは、大きな影響はないと考えるのが妥当といえるかもしれません。そして現在の状況下で警戒しなければいけないのは、介入期待を背景に下値が支えられるとの見方から上昇した場合に、この報道を逆手に取った短期筋の仕掛け的な動きと見ておいたほうがいいかもしれません。どちらかというとドルの買い材料が徐々に増加してきていますが、その辺りには注意しておきたいところです。

作者: money partners

更新日:2008年8月29日 10時6分

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第144回 またしても信用収縮懸念が再燃。今回は根が深い?

 8月12日にお送りしたコンシェルジュ会員様向けメール(配信後には一般への開放も行っております。詳細はこちら)および前回の当欄で、8月は陰線を引きやすい月として紹介しました。過去10年の8月を月足で見ると陽線を引いたのは円キャリートレードが活発に行われていた一昨年(2006年)のみ、その他の年は全て陰線を引いているという事実があります。これは8月15日に行われる大量の米国債償還を背景としたコメントでしたが、その後のドルは米国債の償還というよりGSE2社(政府支援法人・ここではファニーメイとフレディマックの米政府系住宅金融2社を指します)への公的資金注入論の高まりという、別の観点から下落しました。またしてもサブプライム関連による信用収縮懸念が再燃した格好であり、これが世界中に波及しています。資産インフレや資源インフレといった様々なバブルが崩壊する中、過剰な流動性の縮小は改めて世界経済の同時減速という現実に向かって本格的に進んできたともいえます。  今回の信用収縮懸念の再燃は、金融市場や投資動向に関する情報満載の米週刊誌「バロンズ」が報じた記事がキッカケになります。GSE2社はNY証券取引所に上場するれっきとした民間企業ですが、この2社発行の住宅ローン担保証券や債券には「暗黙の政府保証」がついているとされてきました。これが米国債と同等の信用力とされて世界中に広がっているのです。しかしサブプライム問題の影響ですでに十分な資本を持たない2社ですので、この「暗黙の政府保証」がついているとされる住宅ローン担保証券が紙くずになる可能性が懸念となったのが、前回の懸念でした。これが今回の米公的資金の注入論にもつながっているのですが、今回は少しニュアンスが異なります。  米公的資金の注入を「金融不安を払拭させる切り札」のように言う人がいますが、事態はそれほど単純ではありません。確かに公的資金が注入されるとGSE2社が発行する住宅ローン担保証券や債券のデフォルトリスクは大幅に低下させることができますが、一方でモラルハザード(倫理の欠如)の懸念がマーケットに蔓延することになります。また公的資金が注入される際の方法においてはGSE2社が優先株を発行してそれを米政府が引き受ける形で行われる可能性が高いことから、優先配当やその他に付随する諸条件から、現在流通している同社の発行済み株式の価値は必然的に下がると予想されます。仮に国有化にまで進むことがあれば事実上無価値になってしまいますので、これがGSE2社の株価急落につながり、そしてNYダウが引っ張られているという図式になっています。日経平均がつられて下落しているように、世界経済への波及も必死と見られるところです。  別の観点からも、今回の懸念は根が深いといわれています。GSE2社の懸念の根本は、何といっても米住宅バブル崩壊に伴う住宅価格の下落に起因しています。その米住宅価格は下げ止まる気配が見えず、米金融機関はサブプライム関連の損失を拡大させ続けています。このため公的資金が注入されたとしても、住宅価格が下げ止まらない限りは、効果は限定されるとの声もあります。さらに米金融機関を巡る信用不安は、概ね3ヶ月ごとに再燃してきました。米金融機関の四半期決算にあわせて懸念が台頭する形となっているからですが、しかし今回は前回の四半期決算(7月)からわずか1ヶ月しかたっておりません。また今月はじめには、米住宅支援法案が成立したばかりでもあります。こうした時期に再燃するということは、見た目以上に米住宅市場を巡る懸念が深刻になっているということかもしれません。  もっとも一時122ドルを超す動きとなった原油先物の上昇もドル売りに影響を与えましたが、こちらはまだ流動的といえます。一時に比べて需給の逼迫感は収まっている分だけ、上昇が限定的となる可能性は否定出来ません。このため長期的には上昇トレンドが継続していると思われるものの、影響度は未知数といえます。今後も原油が堅調な動きをするとドルにとっては重石になりますが、高騰しすぎた価格の調整へと動きが再度傾斜してくるとドルの下値を支える形で機能し出すことになります。  今年8月1日の始値は107.832円(Bid)。過去10年のジンクスでは、8月はかなりの確率で陰線を引くとされています。下落したといっても現在の値位置のままで月末を迎えれば、今年は一昨年に続いて2回目の陽線ということになりますが、果たして・・・?

作者: money partners

更新日:2008年8月22日 6時52分

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第143回 週末は乱高下に注意!?

 昨日の米7月消費者物価指数が予想を上回ったことからドルは一瞬買われたものの、新規失業保険申請件数が予想よりも悪化したことが米雇用情勢への懸念につながったことでドル円は110円ライン手前で上値を押さえられる動きとなりました。しかしその後はNY原油が急落したことを背景にドルは大きく反発し、110円ラインを再度回復する動きとなっています。  今週は日本がお盆休暇、欧米もサマーバケーションで流動性が乏しい中、思惑による動きがマーケットを席巻しています。特に週明け(18日)には日本の取引参加者がマーケットに回帰することから、ちょっとした動きで大きな変動を狙う、いわゆるファンドなどの「仕掛けたい人たち」にとっては、目先の流動性が乏しい時期が残すところ本日のみということになっています。  特に本日は、NYタイムにおいて米国債の大量償還&クーポンの利払いが予定されており、材料としては申し分ないところです。米国債の償還は、実は2月・5月・8月・11月と3ヶ月に1度行われていますが、金額が多いのは2月と8月です。そしてこの2つが特に注目されるのは、日本の金融機関あるいは機関投資家の動向が深く絡み合っているからです。  ご存知のように日本企業の多くは、4月から翌3月を事業年度としています。つまりこの2つの償還の翌月には、中間決算と年度末決算が控えていることになります。このためキャッシュフローを積み上げる意味もあって、毎年のことながらドル売り・円買いのフローが発生しやすい状況となります。これは大きなドル売り圧力となっていることから、2月と8月はドルが売られやすい月ともいわれています。  これは過去10年の月足チャートで見ると、すぐにわかります。特に8月に関しては、陽線となったのは円キャリートレードが活発だった一昨年(2006年)のみとなっており、後は全て陰線です。以前は国内勢の海外旅行に伴った両替というドル買い・円売り需要から、「8月はドルが上昇しやすい月」といわれたものですが、今は遠い昔の話です。  12日は米証券取引委員会(SEC)の空売り規制が期限切れを迎えており、また13日には戻し減税効果の剥落で米7月小売売上高はマイナスに転じています。いずれもリスク回避による円買い戻し圧力を高める要因となりうるものばかりです。ドル円は110円を回復し、そして本日はNY連銀製造業景気指数にミシガン大学消費者信頼感指数、鉱工業生産に対米証券投資と、数多くの経済指標も予定されています。さらに流動性が乏しいのは本日および週明けのオープニング直後までという現実。仕掛けたい向きにとってはお誂え向きの局面ともいえます。実際に仕掛けてくるかはわかりませんが、乱高下を注意しながら過ごす週末といえそうです。

作者: money partners

更新日:2008年8月15日 10時16分

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第142回 米金融株への空売り規制の効果はいかに?

今週(8月8日)の『なぜなにFX』は、作者都合により休載いたします  米地銀の破綻が相次ぐ中で金融不安は後退しています。要因としては米大手金融機関の決算発表が一段落したことによる安心感がありますが、それ以上に大きいのは、積み上がった投機筋売りポジションを巻き戻す目的で施行された、米金融株19銘柄に対する空売り規制です。  この空売り規制は金融株の反発をもたらしただけに留まらず、同じように積み上がっていた原油相場の買いポジションをも巻き戻させました、このため一部で「市場の流動性を損なう」あるいは「健全な価格形成を阻害する」と懸念されたものの、そうした事態にはつながらず、原油価格の下落とも相俟って投機資金を巻き戻させ、さらにこれが金融不安の後退にまでつながりました。この影響でドル円は7月15日の104円前半を底辺にジリジリと買われる展開となり、同月22日には上値を押さえていた200日移動平均線を突破、同月28日には約1ヶ月ぶりとなる108円台を回復する動きを見せています。  しかし一方でこの空売り規制は、期限が設けられた緊急措置でもあります。一応8月12日までの延長が米証券取引委員会(SEC)から7月30日に発表されており、さらなる延長の可能性も残されてはいます。しかしこういったものは緊急的な措置であったからこそ効果があったのであり、継続すると薬などと一緒で徐々に慣れてしまって効力がなくなっていきます。効力アップとして期待された全上場銘柄への対象枠拡大は見送られたことから考えると、金融不安を後退させた今回の措置も一時的なものであり、そして時間稼ぎに過ぎないとの声が挙がるのも当然といえます。徐々にマーケットが緊急措置解除の時期を探り出すことにもなりかねませんので、注意したいところです。  また別の観点からも、金融不安は払拭されていないとの声が聞こえてきています。それはさらなる自己資本増強を訴え続けているポールソン米財務長官、またプライマリーディーラー向け貸出制度のさらなる拡充を図ったFRB(米連邦準備制度理事会)の行動が、落ち着いてきたといわれるマーケットでは少し異様に映るというものです。いざという時に備えているといえばそれまでですが、そうしなければならないほどマーケットは回復していないからだとすれば、話が変わってきます。特に今年度末からのスタートが予定されていた米財務会計基準審議会(FASB)による会計基準変更は、金融機関の透明性を高める目的であり、金融不安を少しでも払拭しようとして予定されたものです。しかしこちらも先月30日に急遽、来年11月以降まで延期されたことで、今、会計基準を変更すると米金融機関は次々と破綻しかねないとの思惑が台頭するのも無理からぬところです。そして米金融当局の懸念の眼が、依然として金融危機に向いているとの証左でもあるといえそうです。  そうした中で行われるのが、本日の米雇用統計です。前哨戦として注目された一昨日(30日)のADP雇用統計(民間)が予想外の前月比+9000人となったことで雇用関係の懸念は後退、ドルも買われる動きを見せましたが、しかし昨日の新規失業保険申請件数が約5年ぶりの悪化となったことで再度、雇用関係の懸念が台頭し、ドルも下値を探り始めています。ADPが予想を大きく上回ったのは、10日に発表された34.0万件という新規失業保険申請件数が影響していると考えられますが、これは6月末~7月初めの集計であることから考えると、今夜の米雇用統計にまで影響を与えるかは未知数といえます。  事前予想は失業率が前回よりやや悪化の5.6%、そして予想との乖離が多い非農業部門雇用者数は-7.3万人となっています。もちろん結果が出るまでは上振れ・下振れのどちらにも振れる可能性を秘めており、そして雇用関係の経済指標もここのところまちまちであることから、どちら方向に動いてもおかしくありません。両方向への警戒は不可欠ですが、ADPの結果で一度予想が上方修正されかけただけに、予想に対する乖離としては上振れよりも下振れの方が、よりインパクトが大きいといえるかもしれません。  もっとも、当局が重要視しているのが金融危機ではないかいう思惑が台頭しやすい中で行われる米雇用統計だけに、発表直後に大きく反応することにも注意が必要ですが、それよりも思惑による紆余曲折を経た神経質な乱高下に警戒をしておいた方がいいかもしれません。

作者: money partners

更新日:2008年8月8日 12時56分

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第141回 レンジ内の動きを続けるドル円、実は「嵐の前の静けさ」?

 米金融機関の4-6月期決算発表というイベントを通過したことで落ち着きを見せつつあるマーケットですが、昨日(7/24)発表された米6月中古住宅販売は、統計開始以来の最低水準まで落ち込みました。この住宅市況不振の根幹を成すのが米金融システム不安であることを考えると、、基本的に「金融不安は拡大傾向にある」ことが示唆された内容と言えます。  一方で米政府が掲げる、サブプライムローンの借り手救済を柱とした住宅支援法案は既に下院を通過しており、本日予定される上院での可決を経て成立する見通しとなっています。急増する住宅の差し押さえに歯止めをかけることで、住宅市況全体の改善への道筋をつけることが目的とされますが、しかしその対象が懸念を抱え続ける米金融機関ということを考えると、本格的な住宅市況低下の底打ちには繋がらないとの見方が浮上してくるのも仕方がないところです。住宅需要というものは基本的に好景気時に拡大するものであるからです。 そして現在15%近い下落を見せている原油はドルの下落リスクを軽減させるものですが、根強い景気減速懸念や米金利先高観後退の状況下では、ドルを押し上げるほどの要因でもありません。低迷する米景気が回復しない限り、住宅市況の回復、ひいては本格的なドル反転の動きも見込みづらいといえるかもしれません。  レジスタンスラインとして機能してきた200日移動平均線を突破したドル円にとって、次はその200日移動平均線をサポートラインとして機能させることができるかがポイントとなりますが、現在のマーケット状況を考えると難しい状況にあるといえます。値位置こそ上方向にずれたものの、まだオプションに絡んだオーダーが上にも下にも見られており、両サイドを固められたドル円は引き続き大きなレンジの中にあります。こうしたレンジから脱却できないドルの次の鍵となるのは、景気に悲観論が飛び出し始めたユーロといえるかもしれません。  欧州景気は、これまで健全なファンダメンタルズを背景にして堅調推移を見せてきました。しかし今月中旬に発表された独ZEW景況感指数に続いて、昨日の独IFO景況感指数も悪化するなど、ここに来て翳りが見え始めています。そして170円ラインが遠退いたユーロ円は、昨日、3月来のトレンドラインを再び割り込む動きを見せてきました。リスク回避による円買い戻しが主な要因と見られるものの、これはマーケットのセンチメントを悪化させる要因として機能することも想定されます。それはすなわちユーロの調整が進むに留まらず、ドルを含めたマーケット全体に波及する可能性が、否定出来ないということになります。  欧米の景況感悪化は需要の低減につながり、そしてインフレ圧力の低下に伴った調整的な原油下落が、マイナスとなっていた米実質金利を押し上げつつあります。しかし米景況感の改善に伴う上昇ではないことから今後も継続するかは未知数であり、確率としても極めて低いといわざるを得ないところです。欧州の景況感悪化は、米実質金利の上昇というメリットをもたらし始めた反面、さらなる米景況感悪化を促すデメリットの方が大きいと見るのが、妥当なのかもしれません。レンジ内での動きを続けるドル円は、一見すると落ち着いているようですが、「嵐の前の静けさ」の可能性には警戒しておきたいところです。

作者: money partners

更新日:2008年7月25日 6時34分

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第140回 欧米金融機関を巡る信用収縮懸念問題が再燃

今週(7月18日)の『なぜなにFX』は、作者都合により休載いたします  ここに来て、またぞろ欧米金融機関を巡る信用収縮懸念が再燃し始めています。昨日(10日)はプール・前セントルイス連銀総裁が、米政府系住宅金融大手であるファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)について「現在進められている時価会計を適用すると、どちらも実質的には破綻状態」とコメントした件がマーケットを駆け巡りました。このため上値の重い動きとなっているドル円ですが、しかし106円半ばではすぐに買い戻されているなど、まだ方向感の定まらない動きを見せています。  こうしたマーケット状況の中で注目されているのが、来週発表される米小売売上高(15日)と米消費者物価指数(16日)です。前者は戻し減税の効果が継続するのかが注目されており、後者は世界を揺るがすインフレ圧力がどの程度まで膨らんでいるのかを見極める上で注目されています。(両者とも結果がマイナスになることはないと思いますが・・・)仮に両者が共に緩やかな伸びを示せば、景気低迷とインフレ懸念後退から、来月5日に控えるFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を据え置く公算が高まることも想定されます。なぜなら、冒頭でも述べたとおり現在はファニーメイとフレディマックの破綻懸念が広がっており、その他にも経営不安説が流れる米金融機関の話も数多ある状況です。そうした中ではいくらインフレ懸念について言及しているからといっても、利上げをすればさらなる景気失速は免れないところだからです。  現状ではまだ最低でも年内に1回の利上げ(25bp)が予想されていますが、それさえも後退を迫られる場面が見られそうです。米通貨当局がインフレによる利上げニーズを囃すことで何とか保たれている米利上げ観測も、そろそろ後退という選択を迫られる時期に来ているのかもしれません。  最後に一つ。原油が高騰したことを背景にしたインフレ懸念の高まりで、5年物インフレ指数連動債(TIPS)の実質金利が低下しています。このため現在は、実質金利とドル円の動きに乖離が見られています。実質金利は今年2月~3月にもしばらく低下を続け、堅調に推移したドル円と乖離する時期がありました。しかしこのときも結局、ドル円が急落したことで乖離が修整されたという経緯があります。このためこの乖離が、いずれドル円の下落で修整される可能性を指摘する声が高まっているのも、当然といえるかもしれません。

作者: money partners

更新日:2008年7月18日 6時36分

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第139回 注目の『イベント祭り』の結果は...

 注目のイベント祭りとなった3日は、予想通り欧州が25bp(0.25%)の利上げを行い、米欧の金利格差は2.25%に拡大しました。しかしその後の記者会見でトリシェECB総裁が、「現在の金利スタンスは物価安定目標を達成するのに貢献」「ここからはバイアスを持っていない」とコメントするなど、期待された追加利上げの示唆は聞かれませんでした。また第2四半期GDP伸び率がかなり弱くなるとの見方を示すなど、好調だったユーロ圏経済に暗雲が漂う中で、金利先高観測は急速に後退してユーロは全面安、その一方でドルは買い戻しが加速する展開となりました。  これまでECBは利上げに踏み切る姿勢を鮮明にしてきていただけに、昨日のトリシェ総裁の記者会見は失望を招きました。しかしユーロ圏当局が事実上のインフレ抑制効果のあるユーロ高をある程度容認していると見られるだけに、ユーロ先高観をある程度緩和させる形とはなったものの、天井を打ったとの声はほとんど聞かれておりません。特に今回のユーロ圏利上げに際して、ドルの命運をも左右しかねなかっただけに、欧金利先高観の緩和はドル急落を回避させたともいえます。しかし昨日の記者会見は、追加利上げが否定されたわけではありません。  同時刻に発表された米雇用統計が大幅悪化とならなかったこともドル買い戻しに機能しましたが、一方で米金融政策が行き詰まりを見せる中でのドルの下値に関するリスクは、引き続きユーロ圏での金融政策動向に大きく左右される状況が続くと見られるところです。米経済の悪化とドルの下方リスク拡大。米国からの有力な資金流出先となるユーロ圏の景気・金利動向は、引き続き大きく左右する要因として認識されそうです。  ところで、来月(8月)には米サブプライム問題が発生してから丸1年が経ちます。しかしサブプライム問題は、依然として払拭されたわけではありません。 ドル円の動きを振り返ると、昨年8月に119円台から下落し、今年3月の米金融危機発生時には95円台という12年来の安値を記録する事態になりました。ある程度回復を見せたとはいっても、先月には再度トレンドラインを割り込むなど、上値の重さが目立つ相場も予想されています。米経済のスタグフレーション懸念拡大と、上げたくても上げることができない米政策金利の状況は、昨日の米雇用統計で一層明らかにされており、早くて「9月のFOMCに行われるのでは」といわれる利上げ観測も、今後は後退する可能性を秘めています。  サマーズ元米財務長官は現在の米経済を、「最も困難な時期に差し掛かった」としており、ポールソン財務長官は欧州やロシアを歴訪して金融政策の協調体制確立に躍起になっていることが報じられています。昨日の記者会見で追加利上げに言及しなかったトリシェ総裁の行動も、ドル急落を回避するための配慮だった可能性は否定出来ないところです。ただしこうした努力でドルを下支えできるかは依然として不透明であることから、米経済のファンダメンタルズ悪化を踏まえれば、ドルは一段と不安定な展開を迫られる可能性が高いといえます。値位置を切り上げるドルですが、まだ安心はできないところです。

作者: money partners

更新日:2008年7月4日 3時49分

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第153回 G20が今週末に開催されますが...

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第152回 新たなトレンドは形成できる?

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第150回 週明け(13日)のスタートに注意、の理由とは

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第149回 短期金融市場は、まだ混乱中...

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第148回 日本と米国...置かれている立場の違いとは?

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第147回 今週に続いて、来週も窓あけスタート?

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第146回 ドル円は、やや上値の重さが目立つ展開

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第145回 介入期待でドルの下値が支えられる!?

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第144回 またしても信用収縮懸念が再燃。今回は根が深い?

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第143回 週末は乱高下に注意!?

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